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2015.2.17 CROSS, Event, Kazufumi Sato, Service

KDDI×富士通 ビジョン2025策定(公開セッション)

富士通、KDDIの社員のみなさんとCROSSの専門スタッフが2025年の「未来ビジョン」づくりに挑戦する「ビジョン2025 合同セッション」を2015年2月4日、都内で開きました。CROSSが開発した「未来ビジョンプログラム」に基づいて、中期、長期の未来予測を組織や業種の壁を超えて行う取り組みです。CROSSのパートナーである株式会社ウォーターデザイン代表取締役社長の坂井直樹さんもアドバイザーとして参加しました。

この日の参加者は、企画・開発、営業などさまざまな部門で第一線に立つ50人。5つのテーブルに分かれ、短時間で、濃密な議論を進めました。最初にCROSS社内で実際に作成した「未来ビジョン」をモデルに、「未来」を考えるうえで心掛けたいポイントや作業の段取りについて説明しました。CROSSの専門スタッフも議論に参加しながら適宜サポートしました。

参加者には、あらかじめ未来予測に関する資料を収集(ファクト情報の収集)することをお願いしてありました。
セッションでは初めに持ち寄った資料を説明し合い、大量の「ファクト情報」を分類・整理しながら未来予測に必要な「シグナル(Signal)」を読み取りました。(ファクト情報のレビュー)
続いて「シグナル」から導き出されるコンセプトを絞り込み、2025年時点で、どんな世の中になるかについて「フォーキャスト(forecast:予測)」として固めていきました。(見通しビジョンのとりまとめ)

セッションを通じて5つのチームが到達したポイントは以下の通りです。

 

【Aチーム】

●フォーキャスト:「二極化」と「多様化」が進展する。
●説明:オートメーション化が進む一方、それとは逆に、実際に自分で体験するといった、人間らしさに新しい価値を見出すような社会になる。「二極化」と「多様化」との間の領域が大事。「間」というのは居心地がいいこともあって、そこから新しい価値が生まれ、「多極化」へとつながっていく。
オートメーションの流れが強まる中で、人間としての不安感がどうしても募る。人間らしさが大事になるのではないか。デジタルかアナログかで言えば、デジタル化に伴う不安感に対してアナログの人間らしさに関心が集まる。
ビッグデータやオートメーションの分野ははどんどん価格競争になっていって、最終的には人間らしさに注目したビジネスが生まれる。
もちろん、技術を全部、否定するのではない。感覚で伝わるロボット技術、体の不自由な人が手を動かせるようになるような「人に情報を与える技術」にフォーカスしていくと、面白い世の中になるのではないか。

 

【Bチーム】
●フォーキャスト:根本的な、生活を満たすための欲求が高まるとともに、それ以上の生活の質を目指す部分では多様性が求められる社会になってくる。
●説明:モビリティの自動化、パワードスーツへの関心など、多様性への欲求が高まる。一方、根源的な部分で、食料、遺伝子、安全に対する危機感が高まり、より注目を集める分野になるのではないか。
2015年(現在)でも、根本的な問題に対する関心は存在するが、特に先進国では、どうしても解決が必要な問題として。注目されているとはいえない。2025年になると、高齢化、人口増加の問題もあり、その点が深刻になり、解決しなければならない問題として強く意識されるようになる。

 

【Cチーム】
●フォーキャスト:「新しい集約」をみんなが意識する時代になる。
●説明:ウェアラブル、医療の変化、エネルギーの問題などの分野で、すべてが高機能になっていく。それは「数値化」がどんどん進行することを意味するが、「数値化」が進むと、さまざまな「違い」「ボーダー」がはっきり見えるようになる。その結果として「新しいボーダー」をみんなが意識し、次の「新しい集約」に向かうようになる。たとえば「ホームレス」を「新しいボーダー」からみると、「新しい集約」に向かって人が動いていることを意味するともいえる。
また、高品質であっても、使う人が少ないシステムは絶対に成り立たない。「新しい集約」を目指すには、低コスト化、コンパクト化で、みんなが幸せになる方向を見つける必要がある。「新しい集約」を単にコストで考えると、不安な社会、怖い未来になる可能性もある。また、集約されることで、多様性のないコミュニティーになるとしたら、それは面白くない。逆に、みんなが集まることによって新しい価値が生み出されることもある。それなら多様でハッピーな社会になるのではないか。

オープンソースを利用してみんなが個人事業主となるような方向性がちょっと前から出ているが、実際は、高コストで、うまく回っていない面がある。なるべく共有できるものは共有できた方がいいという方向性が出来上がりつつある。そういう方向性が普通の生活の中でも、出てくるのではないか。

 

 

【Dチーム】
●フォーキャスト:五感コミュニケーションが発達する。リアルとバーチャルの境目がなくなる。スマートハウス、未来の家が実現することによって「家にいながらなんでもできる社会」になる。
●説明:
①五感コミュニケーション
SNSがはやることによって、フェイス・トゥ・フェースのコミュニケーションがどんどん少なくなっている。脳のインターフェース技術が発達して、ヘッドフォンがあれば海外の人とコミュニケーションがとれるような「五感コミュニケーション」の時代となるだろう。
②リアルとバーチャルの境目がなくなる。
3Dプリンタで自宅で食品が作れるようになる。サプリメントひとつですべての栄養がとれる。それでは面白くないので、脳に働き掛けることによって、その人はとってはハンバーグを食べているように思えるような方向が可能になる。
③「空中農園」「家にいるのに外でランニングしているように感じる」というような「家の中でなんでもできる」社会になる。
さまざまな制約がなくなることで、いろんなことができるようになる。残るのは「宇宙への憧れ」だ。今、は難しいけれども、いろいろな制約がなくなったときに、誰でも宇宙に行きたくなる。宇宙産業に今後のポイントがある。

 

【Eチーム】
●フォーキャスト:「アンチ少子高齢化・一極集中」が実現し「おいしく楽しい食生活」を送れる世の中になる。
●説明:
少子高齢化の進展、都市への一極集中という課題がさまざま見えているが、ロボットやIT技術の活用、脳科学を応用した技術の開発などによって、遠隔操作が可能になる。たとえば体力的に劣る人でも農作業ができるように、どこでも誰でも仕事ができる世の中になるのではないか。
「どこでも仕事ができる」環境の実現は、都市への一極集中から分散に転じる重要な要素だ。自分の趣味が仕事になる環境も実現するとすれば、これまでの「ワーク・ライフ・バランス」から「ワーク・ライフ・インテグレーション(仕事と人生の統合)」に結びつくのではないか。
この問題さえうまく解決できれば、2025年の、さらにその先も明るい未来になり、人間として最も重要な「おいしく楽しい食生活」が期待できる。ドリンクでの栄養補給ではなく、人間としてのプリミティブな要求である、実際のものを食べて楽しむ暮らしが残る。

 

◎ 価値観と課題を共有/CROSSの未来ビジョンプログラム

 

CROSSは、米国の未来予測シンクタンク「Institute For The Future(IFTF)」と提携して開発した「未来ビジョンプログラム」をご提供することで、企業イノベーションを目指す企業を多角的にサポートします。

規模が大きくなればなるほど、組織や事業の変革には大きなエネルギーを要します。特にグローバル化が進み、企業環境が複雑さを増す中で、企業を取り巻く課題を共有し、解決手法を開発することが、未来ビジョンを確実なものにするための重要なステップとなります。今回の合同セッションでは、2025年、2050年を想定しました。未来ビジョンの策定につなげるためには事業に参画するメンバー、一人ひとりの個性を把握し、価値観と課題を共有することが何よりも重要です。


「未来ビジョンプログラム」では、この日行った「シグナル」「フォーキャスト」に加え、施策や実践を具体的に考える「アクション(action)」のステップを準備しています。課題を解決するための有効なビジネスプランを策定し、事業成果を達成するまで「シグナル」「フォーキャスト」「アクション」を繰り返し、精度をしっかり高めていきます。スタッフの意識やスキルの向上と人事制度・組織的な変革の双方を進めることを通じて、企業イノベーションの創造プロセスを実感していただくことが可能です。

 

投稿者 佐藤和文(ジャーナリスト)