2022.1.4
2021.10.1
2021.7.28
2014.5.23 All, CROSS, Event, Koyo, People
先日、我々が着目しているMakerムーブメントについて米国パロアルトに本拠地を置くパートナーであるIFTF(Institute For The Future未来研究所!!)と共同で行った中国深センのMaker Faireツアーを取り上げました。
本日は5/21,22の日程で開催したMaker Citys in New Yorkについて取り上げます。
ものづくりにおいてこれまで大型の機械を導入して大量生産し均一なものをそれぞれ購入するというモデルが一般的でした。
しかし3Dプリンターが登場し、日本におけるFab Cafeを代表とするような電子工作のムーブメントなど、頭のなかにあるアイデアを具現化するツールの普及によって誰でも必要でほしいと感じるものをパーソナルに簡単に作れるようになっていくような時代がすぐそこまでやってきています。
この変化は、ものづくりの根本の考え方そして今後のビジネス、ひいてはライフスタイルに大きな変化をもたらすであろうことが予想されています。
Maker Citysとはこの大きな変化のムーブメントを加速させる都市単位での取組に着目をし、政策に取り入れて加速を図るメキシコを始めとし、中国深セン、ニューヨーク、サンフランシスコと回っていくツアーを指しています。
MITの研究者、中国の大手ベンダーHUAWEIのオープンイノベーションチーム、スイスの携帯キャリアSwisscomのオープンイノベーションチーム、FINPRO、NATO、そしてラグジュアリーブランドの大家CHANELまで多岐に渡る業種の企業がこの新しいムーブメント、そして未来に興味を持ち参加しています。
NYは米国の中でも歴史的な年であり、戦後世界をリードしてきた最先端の街の一つでもあります。そんな最先端の都市が考え、見ている新しいものづくりの概念について先進的に取り組む企業を訪問して話を聞いてきました。
1.Etsy
Etsyとはブルックリンに本拠地を置くオンラインのコマースプラットフォームで、2005年に創業した会社です。
家具や洋服、アクセサリー等多岐にわたって手作りで作られたプロダクトを集めて流通させるプラットフォームとなっています。End Mass Productionを標榜し、3500万人の会員を抱え、120万セールスを記録する世界最大級のパーソナルメイドのプラットフォームです。
日本では私達の友人村式株式会社が運営するiichiがありますね。
Makerの取組は創るだけではなくそれを市場とつなぐプラットフォームがあってはじめて機能します。Person to Personを繋げてほしい物を手にできる文化をつくり、人々の購買の考え方を新しい時代に向けて変えていけるように励んでいます。
2.MakerBot
MakerBotはブルックリンに本拠地をおき、2009年に創業した3Dプリンターの会社です。
制度が高い機械を開発し売ることはもちろん、アイデアを3Dデータ化するお手伝いや普及するための小売店を持つことなどオープンソース化して市場に爆発的にこの3Dプリンターの製品及び考え方が普及する為の産業づくりに取り組んでいます。
3.NYC Resister
NYC Resisterはブルックリンに本拠地をおき、2008年に創業した米国で最もアクティブなハッカースペースです。
日本でいうところのFab LABOで、ここに集まる人々が共同でアイデアを出しあいながら実験的にものづくりをしていくスペースになっています。日本でも浸透中のシェアオフィスですね。
より早く実験的にものづくりを進めていくための最良のスペースとも言えます。
4.Foursquare
これは日本でも浸透しているのでご存知の方も多いですよね。
2009年に創業してNYのど真ん中SOHOに本拠地を置くロケーションベースのSNSサービスを行う会社です。
Check-inといって今いる場所をGPS情報を元に割り出し友人に知らせるなんてことのできるSNSです。FacebookやTwitterに連携して日本では使われています。
Googleのメンバーを経て様々な会社を立ち上げてきたCEO、Dennis Crowleyさんに話を伺ってきました。
Foursquareはこれまで抱えている5000万人のユーザーにチェックインさせて位置情報を取得しゲーム感覚で楽しめるSNS機能を提供してきましたが、その裏で様々な情報を取得してきました。ドコに何があって人々はそれに対してどんな評価をしているのか。
時間ごとの人の行動様態や都市の比較、行動と何か(例えば天気や気温など)の指標との相関性を知ることもできます。
Foursquareはこれからそういった情報を駆使して企業にマーケティング情報を売るなどビッグデータのビジネスを拡大していくそうです。
また人々が探しているものと場所のマッチングサービスなんかも可能となるでしょう。
日本ではまだ浸透していませんが、既に170万人を超える企業が顧客とつながるためにFoursquareのプラットフォームを利用しているそうです。
紹介したこれらの企業はムーブメントの一部であるということとこれから教育やコミュニティ形成など周辺に必要なインフラが次々と成長していくことでしょう。
3Dプリンタで今までと違った方法で創りたいと思ったものが作れるようになる。
単純にそのことだけを受け止めるでなく、そういったことをキッカケに社会はどのように変改していき、ライフスタイルや自分の手がけるビジネスにどんな影響があるのかということまで深く洞察しながら次なる世界、ビジネスを作っていかなければなりません。
日本ではこのムーブメントがどのように発展していくのでしょうか。
田中浩也さんを筆頭にFab LABOやFab Caféなど少しずつ市民権を得ていますがブーミングしていくためにはもっと3Dプリンタを活用したビジネスや売るためのプラットフォームが盛り上がっていく必要があります。
またこのムーブメントを支持して集まるコミュニティが小さいのも確かです。
しかし地方では仕事がなく、最低限の教育しか施されずに人材の流出が避けられない地域がたくさんあります。一つの方向として3Dプリンタを支える産業が地方で興り、地元の学校も3Dモデリングを教える。
こんな素敵なストーリーも起こりうるのではないでしょうか。
ビジネスを興していくプロデューサーとして未来を先導する新しいビジネスを使って地方の問題も同時に解決していくといった形で事業を興していくべきでというように感じました。
Maker Faire 2014 @ Shenzhenに行ってきました!
先週中国は深センにて開かれたMaker Faireに行ってきました。
Maker Faireとは個人や小規模な団体、企業などがMakerとして様々な新しい技術やそれを用いた面白いモノをもって出展する展示会です。
通常みられるカンファレンスなどとは違い、その名前の通りちょっとしたお祭りみたいな感じで自分がつくったものをお披露目するのです。
今回は私たちのパートナーでもあるIFTFというアメリカに本拠地を置く、様々な角度から未来予測を行う研究所がMaker Faireのメインスポンサーとして中国のMakerのイマを探るツアーを開催してくれたのでそちらに参加してきました。
何故深センで開催されたのか。何故深センには多くのMakerが集まるのか。今後Makerはどこに向かっていくのか。
深センは中国でも有数の工業地帯で多くのグローバル企業の工場があり、香港の隣に位置することもあって中国としてはかなりオープンな環境にあります。
中国国内の工業製品の実に6割が深センの工場で作られているともいわれます。そうした環境なので、モノ作りが盛んであり、またすぐに誰かに依頼してサポートしてもらうことも可能です。
香港へは中心地から中心地へ1時間程度で行ける距離で、香港は特別区として中国内にあるインターネットの規制などがなく、また多くのグローバル企業が拠点を構えているので、すぐに世界の最新の情報を得ることが出来ます。
またこれらに加えてもう一つ大きな特徴が深センにはあります。
中国には山塞Shanzhaiという言葉があります。これはいわゆるパクり製品と呼ばれるもので中国の一つの特色になっています。
たとえばこのロゴなんかはどう見たってbeats by Dr Dreのパクリですが、こういったものがあちこちで堂々と売られています。
確かにこうしたものは多くの問題を抱えていますし、間違っても礼賛されるべきではないでしょう。ただしこうした文化があるからこそ、中国では個人や家族経営のような小さな工場が技術力をつけていっているという側面があります。
そしてこうした商品をすぐに売れる環境が深センにはあるのです。
こうした小さな店が一つのビルの中にいくつも入っていて、さながら昔の秋葉原を一か所に集めたような感じです。
実際にこうしたマーケットがあるからこそ北京から深センに移ってきたんだというMakerの方もいました。
こうした情報を獲得し、商品を作り、すぐに売れるというサプライチェーンが深センには揃っているのです。
元Wiredの編集長でロングテールやフリーミアムなどを提唱した3D Robotics社CEOのChris AndersonはMaker Faireのキーノートスピーチで
「20世紀まではProduct VS Productの時代だった。だが今はEcosystem VS Ecosystemの時代だ。」
と発言していました。
法制度の変更などもあり、深センの工場はどんどん中国全土に散らばり始めています。
そうなった時、深センでのMakerの流れが縮小するのではなく、むしろMakerが中国全土に広がっていくのではないでしょうか。
3DプリンタやAruduinoなどの普及で個人で簡単にモノを作れる時代になっています。
クラウドファンディングなどを使えば大量生産も可能になります。
ソフトだけでなくハードもオープンになっていくでしょう。
そうして大企業でなくても優れた技術力の恩恵を利用できるようになっていく中で、優れたEcosystemを確立することの重要性が今後ますます大きくなっていくのではないでしょうか。
2014.4.1 All, Event, kotobaworks, Koyo, People
十津川村はもっともっと認知してもらいたい魅力をたくさんもっているのですが、情報発信の整備が弱くなかなか知ってもらうことが出来ておりません。
特に一見さんの観光客が魅力を存分に味わうということはかなり難しいと感じています。
そんな中で十津川村には歴史を語り継ぎながら観光地を案内する語り部という素敵な集団がいます。
この語り部をもっと活用して十津川村を知ってもらおうということで村の協力も借りながら、語り部が所属する「十津川鼓動の会」さんと弊社「株式会社kotobaworks」、Web制作会社の「村式株式会社」さん、そして横浜から十津川村に移住して十津川を盛り上げようと奮闘している「横山兼大」さんの4者で十津川鼓動の会のHPを整備しました。
完成版がこちら
http://kodonokai.sakura.ne.jp/
今までのサイトは予約できることやどんな人達なのかわかりづらく、簡単に利用頂くことができていませんでした。
そこで伝える情報の量とレイアウトを整備し、新たに予約フォームを設置することで利用しやすいサイトが完成しました!
予約フォーム
十津川鼓動の会予約フォーム
あとは拡散あるのみで、十津川村に興味を持ってくれた人みんなに届くようにしていかなければなりません。
Facebookページもあります。
十津川鼓動の会facebookページ
どうぞみなさま拡散のご協力のほどよろしくお願い致します!
2014.3.31 All, Event, kotobaworks, Koyo, People
2014年3月14日(金)から3月16日(日)の日程で情報発信の切り口から地域事業創造を考える十津川合宿を実施しました。
十津川をより知ってもらえるような情報発信や、魅力的に感じさせる企画について想いのある仲間で討議、実行プランニングを行いました。
討議内容としては以下
1.来年度のイベントを共有し、来年度の企画を盛り上げる・発信討議。
2.十津川村の活性化・谷瀬集落の活性化に関する討議。
3.情報発信について討議。
→特に語り部の活用、情報発信方法の討議、iikuniなどのメディア展開に関する討議。
今回の参加者はこれまでの学生と違ってユニークな大人たちが集まりました。
雑誌の編集長/初音ミクさんのプロデューサーをされている方やカマコンバレーの中核として頑張られているWeb制作会社の社長さん、一部上場企業の技術企画者や営業の方、横浜から十津川村へ移住した若者、大阪の区長さん、となり村の議員さん、代官山蔦屋書店の旅行コンシェルジュ、医療の観点からコミュニティ開発を行っている方などなど
今回冒頭にdocomoのタブレットのプレゼンを頂いたのですが、やはり最新技術は素晴らしいです。
タブレットに向かってしゃべりかけると外国語翻訳してくれるんです。音声の聞き取りさえうまくいけば翻訳の精度は抜群です。
しかもこの音声技術を開発したのは同じ奈良県にある奈良先端科学技術大学院大学通称NAISTだとか。
そこの研究室とのコラボレーションも計画中なので今後のお楽しみにしてください。
これから日本でもどんどんと活用の輪が広がっていくであろうクラウドファンディング。
今回の参加者にiikuniというクラウドファンディングサイトを企画・運営されているカマコンバレーでお馴染みの村式株式会社代表取締役の住吉さんがはいってくれており、みんなでの十津川展開版についても議論を行いました。
そしてメインテーマの一つでもある語り部を通じて村の魅力を余すことなく伝えるために語り部団体である十津川鼓動の会の情報発信について討議を行い、ついに昨日HPが完成しました。
そのアウトプットがこちらです!
http://kodonokai.jp
そしてみんなで未来の希望を託し、記念植樹も行いました。
そんな熱い議論をかわしつつ温泉に癒やされて帰ってきました。
ほっこり。
2014.3.18 All
3月17日に、中国最大の電子商取引運営会社のアリババ・グループ・ホールディングスがアメリカでの新規株式公開(IPO)手続きを開始しました。
調達予想額は米Facebook依頼の巨額なものになるといわれており、企業価値も2000億ドルと言われています。
中国はバブルがはじけるといわれて最早久しいですが、市場はいまだに成長を続け、巨大な中国市場で生き残った企業はグローバルでも大きく活躍を見せています。
先日のMWCでももっとも目立つ場所にブースを設置していたのはHuaweiとZTEでした。
派手な広告をうち、大々的にお金をかけて宣伝し、誰にもプレゼンスを見せつける姿はまるで数年前のSamsungの勢いをそのまま見ているようです。
ただ宣伝だけではなく、もう中国製品は安かろう悪かろうではなく、安くて質のいいものからプレミアムなものまで幅広く取り揃えています。
日本の技術者をはじめとして様々な人材を幅広く登用し、多くのイノベーションも生まれる土壌がどんどん出来上がっています。
前述したアリババや微博(ウェイボー)などソフトウェア分野でも巨大企業が成長しているのがその証左と言えるでしょう。
しかし中国は海外企業が入りづらく、国内市場が巨大なのだから巨大な企業が成長して当然ではないか、という意見もあるでしょう。
では国内市場が巨大でなければ企業は育たないのか、イノベーションは生まれないのでしょうか。
そんなことはありません。
今、通信分野で最も投資を集めている地域、最も注目されている地域というのはイスラエルなのです。
アメリカで活躍していた技術者たちがこぞってイスラエルでスタートアップを起ち上げ、多くのベンチャーキャピタルが投資する企業たちがそこにはあるのです。
MWCでもいくつかの国ごとのブースはありましたが、数も盛況さもイスラエルが最も目立っていたとのではないでしょうか。
ハードからソフトまで幅広い分野で出展がなされており、たとえばMyMusicCloudなどは多くの方が使っていくサービスになると思いますし、先日ご紹介したTelemessageは日本の企業でも採用されればいいのにと思いました。
音声通話自動通訳サービスのLexifoneは日本語も対応予定とのことですし、今後翻訳制度が上がっていけば各国のキャリアで採用されるのではないでしょうか。
様々にワクワクするサービスやプロダクトがこれからも出てくるでしょう。
いろんな国にアンテナを張って情報をチェックしていかないといけませんね。